データ連携基盤における推奨モジュールの導入事例

(2023年4月時点)

推奨モジュールの導入事例

アンケートにおいて推奨モジュールを利用した導入事例の公開に関するご要望がありました。そのため、先行自治体における推奨モジュール導入事例として、推奨モジュールと他機能との連携状況を図式化した≪データ連携処理概念図≫、≪事業内容≫、≪推奨モジュールの利用事例≫を以下の基準のもと、公開します。

・データ連携基盤を複数の自治体で共同利用している事例
・データ連携基盤と連携しているサービスの取り組み内容に特徴がある事例

事例 取り組みの特徴
事例①群馬県/群馬県前橋市 県と市でデータ連携基盤を共同利用する取り組みを行っている。
事例②福島県会津若松市 様々なベンダーのデータを利用して、複数の分野でサービスの提供を行っている。
事例③埼玉県秩父市 市区町村で共同利用しており、災害時ドローン配送サービスのために物流分野で利用している。
事例④岡山県西粟倉村 森林植生データなどを観光サービスや森林活用幹旋サービスなどの異なったサービス分野で利用している。
事例⑤北海道江別市 健康関連の実証研究を大学と連携しながらおこなっており、健康・医療分野に特化して利用している。
事例⑥静岡県焼津市 避難情報を市民にメール・SNSで配信するために、防災分野で利用している。

 

 

■事例①群馬県/群馬県前橋市

《取り組みの特徴》
県と市でデータ連携基盤を共同利用する取り組みを行っている。

《データ連携処理概念図》

 

《サービスとして利用している分野》
交通・モビリティ、健康・医療

《事業内容》
群馬県と群馬県前橋市はデータ連携基盤を共同利用しており、パーソナルデータ(※データ連携処理概念図上の表記:プライベートデータ)連携と非パーソナルデータ(※データ連携処理概念図上の表記:非プライベートデータ)連携が可能な基盤を前橋市にて開発しています。パーソナルデータの連携では、認証・認可機能による利用者オプトインの確認後、各事業者間でデータを授受する仕組みを実現しています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を利用して、イベント情報を下記の5サービスにデータ連携しています。
・群馬県MaaSの地図情報に前橋のイベント情報をマークして表示するサービス
・オプトインによってパーソナライズされたサービスの案内等を行うポータル機能(めぶくアプリ)
・前橋市の多様な情報を提供するダッシュボード
・子供、検診、予防接種等の情報管理・通知を行う母子健康手帳(OYACO Plus)
・食物アレルギー管理を行うアレルギー情報(my allergy alert)
APIゲートウェイ(Kong Gateway)については、 FPoS Serverと連携してユーザーのログイン認証や署名データの認証・管理に必要な各リクエストの振り分けに活用しています。

 

 

■事例②福島県会津若松市

《取り組みの特徴》
様々なベンダーのデータを利用して、複数の分野でサービスの提供を行っている。

《データ連携処理概念図》

《サービスとして利用している分野》
防災、行政、健康・医療、観光・地域活性化

《事業内容》
福島県会津若松市は、行政、防災、観光、ヘルスケア等の複数の分野で多くのサービスを実装しています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を利用して、ベンダー管理のデータ、病院等の電子カルテデータ、会津若松市の基幹系システム保管情報を下記のサービス等にデータ連携しています。
・行政分野ではデジタルで行政手続き申請を行う「ゆびナビぷらす」
・地域情報連携を行う「ペコミン」・「あいべあ」
・防災分野では災害時安否確認や現在地からの安全な避難誘導を行う「マイハザード」
・観光分野では飲食店等の観光情報を表示する「Visitory」
・ヘルスケア分野ではオンラインでの健康 相談/服薬指導等を行う「HELPO」や PHR/EHR(Personal Health Record/Electronic Health Record)情報を閲覧する「ヘルスケアパスポート」、電子母子健康手帳である「OYAKO plus」等
APIゲートウェイ(Kong Gateway)については、開発者ポータルサイトを通じて、開発者向けにAPIの利用方法を公開しています。

 

 

■事例③埼玉県秩父市

《取り組みの特徴》
市区町村で共同利用する取り組みを行っており、災害時ドローン配送サービスのために物流分野で利用している。

《データ連携処理概念図》

《サービスとして利用している分野》
物流、交通・モビリティ、観光・地域活性化

《事業内容》
埼玉県秩父市は、山間部が多く、生活インフラ(緊急時の物資輸送、住民の買い物や通院の足)の脆弱性が課題となっているため、データ連携基盤を利用した課題解決を行っています。
また、秩父市と隣接する横瀬町は広域連携しており、行政施設や避難所の情報といった行政が保有するデータを連携しています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を利用して、秩父市行政保有データや横瀬町行政保有データを下記の3サービスにデータ連携しています。
・災害時に孤立した地域へ衣料品・食料などを配送する災害時ドローン配送サービス
・高齢者の買い物や通院等、移動の困難を解消し、利便性の向上を図るAIデマンドタクシー
・二次交通の脆弱さを解消する観光MaaS

 

 

■事例④岡山県西粟倉村

《取り組みの特徴》
森林植生データなどを観光サービスや森林活用幹旋サービスなどの異なったサービス分野で利用している。

《データ連携処理概念図》

《サービスとして利用している分野》
環境・エネルギー、観光・地域活性化

《事業内容》
岡山県西粟倉村は、2050年カーボンニュートラルを目指し、脱炭素・再生可能エネルギーの分野から、村民のだれもが生きるを楽しみながら生活できる環境を目指しています。それを実現するためにオープンデータに加え、村独自で収集したデータを活用しています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を利用して、既存オープンデータ、モリリズムツアーのデータ、にしあわくらおたからマップのデータ、 Jクレジットの登録支援サービスに関するデータを下記の3サービスにデータ連携しています。
・森林のリズムや調和を組織の調和と持続可能な事業の開発につなげる企業向けキャンプを開催するモリリズムツアー
・小中学生が草花や生き物との触れ合いを通して森林植生を調査する、にしあわくらおたからマップ
・山林とそれを活用したい人を仲介するサービスである森林活用幹旋サービス。 また、同データをオープンデータとして WireCloudとCKANで公開しています。

 

 

■事例⑤北海道江別市

《取り組みの特徴》
健康関連の実証研究を大学と連携しながらおこなっており、健康・医療分野に特化して利用している。

《データ連携処理概念図》

《サービスとして利用している分野》
健康・医療

《事業内容》
北海道江別市は、健康都市宣言を行っており、これまでに幅広い健康関連実証研究を大学と連携して行ってきました。その成果の還元を加速させ、市民の健康意識の向上と行動変容、Well-Beingの強化及び医療費削減を実現することが喫緊の課題となっています。そこで研究資産を活用したサービスを実装し、それらをデータ連携基盤が束ね、新たな健康付加価値を市民に提供することでWell-Beingの向上を図っています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を使用して、e-ダイアリーサーバ、eライフトレーナーサーバ、えべつ市場サーバのデータを下記のサービスにデータ連携しています。
・スマートフォンアプリで、自分の健康ログや自治体から発信される健康情報の確認、そして自治体主導で整備した「生涯健康プラットフォーム」上のサービスを束ね、市民向けインターフェースとしてのポータル機能を有するサービス(e-ダイアリー)
・健診結果やAI による健康状態チェック等の健康情報の提供に関するサービス(eライフトレーナー)
・食の健康セレクトショップとして、市民の健康維持や増進に役立つ食品、購買傾向情報など、食に関する情報の提供機能を有するサービス(生涯健康マルシェえべつ市場)

APIゲートウェイ(Kong Gateway)については、独自開発のFPoS Serverと連携してユーザーのログイン認証や署名データ認証・管理、データマネジメントへのリクエスト振り分けを行っています。

 

 

■事例⑥静岡県焼津市

《取り組みの特徴》
避難情報を市民にメール・SNSで配信するために、防災分野で利用している。

《データ連携処理概念図》

《サービスとして利用している分野》
防災、観光・地域活性化

《事業内容》
静岡県焼津市は水産加工業の売り上げ拡大と防災・減災意識の向上を図っています。

《推奨モジュールの利用事例》
推奨モジュールのブローカー(非パーソナル)を使用して、ふるさと納税管理システムに関する情報、事業者情報、災害情報共有システムのデータ、水防監視システムに関する情報、県オープンデータカタログサイトで公開されている情報、防災情報(ハザードマップなど)を下記のサービスにデータ連携しています。
・収集した産業、観光、防災に関するデータを地図に表示するダッシュボード
・分析した産業、観光、防災に関するデータを表示するダッシュボード
・開発者向けの産業、観光、防災に関するAPIカタログサイト
・収集した避難情報を市民に配信する防災メール・LINE配信サービス

 

 

対象自治体と調査方法について

対象自治体と調査方法、アンケート結果の詳細については、デジタル庁が実施した「デジタル田園都市国家構想の実現に向けた生活用データ連携基盤におけるデータ仲介機能に関する機能及び運用等に係る調査研究」の報告書において記載されており、デジタル庁のWebサイトに公開されています。

《対象自治体》
令和 3 年度補正予算でのデジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装タイプ TYPE2/3)採択団体の内の以下23自治体。(地方公共団体コード順)

北海道江別市、福島県会津若松市、群馬県、群馬県前橋市、埼玉県秩父市、富山県朝日町、石川県能美市、山梨県、長野県茅野市、岐阜県、静岡県浜松市、静岡県焼津市、三重県多気町、京都府、大阪府豊能町、兵庫県加古川市、兵庫県養父市、岡山県西粟倉村、岡山県吉備中央町、広島県、香川県高松市、香川県三豊市、宮崎県延岡市

《実施した期間》
2023 年 1 月 23 日から 2023 年 2 月 10 日までの 19 日間

《方法》
オンラインのアンケート回答システムを利用

 

 

 

 

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