PETsが実現する安心・安全なデータ連携
〜AI社会におけるPETsの本格始動に向けて〜

生成AIの進展に伴いますますデータが競争優位性の源泉となり、データ活用はいまや経営課題、国家的課題といえるでしょう。特に、多様な主体の連携による価値創造が我が国の協創DXやデータ戦略の要であり、分野を越えたデータ連携が欠かせません。他方、プライバシー侵害への恐れや企業のデータ囲い込み意識などによりデータ連携が進んでいないことも事実です。

その状況を打開し、データの安心・安全な連携を実現する切り札として期待されている技術がPETs(Privacy Enhancing Technologies)です。個人データや企業秘密に該当するデータをそのまま共有することなく秘匿しながら処理結果だけを共有することができる技術であり、これにより複数の企業や団体等によるデータ連携が促進され新たな共創価値や社会価値の創造が期待されます。

本イベントは2023年から関連するステークホルダが集まり活発な議論を行って参りましたが、導入する際の指針の必要性、法的課題の整理、技術の正しい認知や理解の促進といった諸課題が指摘されてきました。その後も自民党の「デジタル・ニッポン2024」や、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しにおいても論点となるなど、本イベントを通じ認識された課題への対応が急務となっております。

そこで今年は、本イベントを通じAI社会におけるPETsの社会実装シナリオを展望し、諸課題へ対応するための具体的アクションの導出、さらにはそれを迅速かつ効果的に推進する為の方策の導出を目的にディスカッションを行います。

PETsがもたらす変革は技術領域に留まりません。これまで困難だった新たな価値創出や困難な課題解決へ向け、組織間での安心・安全なデータ連携が行われる「データ社会」の近未来像とその課題を共有するイベントですので、様々な立場の方にご参加頂ければ幸いです。

※PETsは、Privacy Tech、Privacy-Enhancing Computation、Privacy Preserving Machine Learningなどとも呼ばれ様々な技術が存在します。本イベントでは、組織間でのデータ連携に特に資する技術として注目されている秘密計算・秘匿計算、準同型暗号・高機能暗号、Multi-Party Computation、Trusted Execution Environment、連合学習、合成データなどを主な対象としています。

開催概要

※参加登録頂いた方に送られるアンケートへの回答者のうち希望者に対して共有可能な一部の当日資料を配布予定

日時 2025年3月24日(月) 13:00〜18:30 ※予定
開催方法 オンライン Zoom
参加費 無料
主催 一般社団法人 データ社会推進協議会(DSA)
協力 プライバシーテック協会

株式会社日本総合研究所

※協力確定順

後援 一般財団法人 情報法制研究所(JILIS)

一般社団法人 Privacy by Design Lab

一般社団法人 日本経済団体連合会

一般社団法人 MyDataJapan

一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)

一般財団法人 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)

※後援確定順

プログラム

※時間は目安として記載

【プログラム① (主催者挨拶・外部からの期待)】 13:00〜

主催者挨拶

DSA 会長 /
東京大学大学院 情報学環・教授
越塚 登

オープニングメッセージ

衆議院議員(デジタル大臣)
平 将明 氏
※ビデオメッセージの予定

オープニングメッセージ

一般社団法人日本経済団体連合会 デジタルエコノミー推進委員会 委員長 /
日本電信電話株式会社 相談役
篠原 弘道 氏

オープニングメッセージ

一般財団法人情報法制研究所 理事長 /
新潟大学大学院 現代社会文化研究科・法学部 教授
鈴木 正朝 氏

講演「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しとPETsについて」

個人情報保護委員会 事務局長
佐脇 紀代志 氏

講演「Amazon Web ServicesのPETsとグローバル動向について」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社
執行役員
パブリックセクター 技術統括本部長

瀧澤 与一 氏

講演「AI エージェント時代の展望と、それを支えるプライバシー保護技術への期待」

株式会社博報堂DYホールディングス
執行役員・Chief AI Officer
 正弥 氏
講演「SIP第3期課題 先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進
『プライバシーなどを保護しつつデータ解析ができる秘密計算などの活用』
の取り組みについて」
(研究チームB-3a,c 研究開発責任者)
NTTコミュニケーションズ株式会社
スマートヘルスケア推進室担当部長
櫻井 陽一 氏

【プログラム②(技術別の課題認識)】 15:00頃〜
PETsの現在地と社会実装促進に向けての課題

秘密計算

DSA 秘密計算活用WG 主査 /
プライバシーテック協会 事務局長 /
株式会社 Acompany 執行役員 VP of Public Affairs
竹之内 隆夫

連合学習

NEC セキュアシステムプラットフォーム研究所 主任
林谷 昌洋 氏

合成データ

日鉄ソリューションズ株式会社
技術本部システム研究開発センター 主務研究員
波多野 卓磨 氏

【プログラム(適用領域における課題認識)】16:00頃〜
適用が期待される領域別の事例と課題認識

金融領域

株式会社日本総合研究所
リサーチャー
森 毅 氏

医療・ヘルスケア領域

NTTコミュニケーションズ株式会社
スマートヘルスケア推進室担当部長
櫻井 陽一 氏

素材・マテリアルインフォマティクス領域

株式会社EAGLYS
セールス&マーケティング VP
マテリアルズ・インフォマティクスグループマネージャー
太田 博士 氏

【プログラム(課題別討議)】17:00頃〜

パネルディスカッション

PETsの普及、社会実装促進の諸課題の整理

 

■登壇者:

ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士
板倉 陽一郎 氏

 

サステナビリティ消費者会議 代表
古谷 由紀子 氏

 

一般財団法人日本情報経済社会推進協会 常務理事
坂下 哲也 氏

 

■ファシリテーター:

DSA 理事 若目田 光生

【クロージング】 〜18:30

閉会挨拶
DSA 代表理事/理事長
奥井 規晶