【デジタルの日 DATA-EX賞】2023年度 受賞者発表

2021年に創設された「デジタルの日」は、「デジタルに触れ、使い方や楽しみ方を見つける日」です。デジタル庁は「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現するため、社会全体でデジタルについて定期的に振り返り、体験し、見直す機会として毎年10月の第一日曜日・月曜日をデジタルの日、毎年10月をデジタル月間としています。

私たち一般社団法人データ社会推進協議会(DSA)では、デジタル庁が掲げるビジョンに賛同し、データ社会に資する活動、研究、事業において顕著な業績を有する個人・組織・事業を称えるため、デジタル庁創設を記念した「デジタル元年」よりDATA-EX賞として表彰制度を推進しています。

この度、2023年度の受賞者が決定致しました。おめでとうございます。
受賞された団体・個人は、2023年10月31日に予定しているDATA-EX賞授賞式にてご講演いただきます。

2023年度 DATA-EX賞

データ社会 活用アイデア大賞

『ヒヤリハットデータを活用した地域参加型交通安全対策事業』
宇都宮市
市民まちづくり部生活安心課
総合政策部政策審議室市政研究センター

  地域における交通安全意識の高揚を図るとともに、エビデンスに基づく交通安全対策を推進するため、民間企業より無償貸与を受けた通信機能付きICタグを活用し、地域住民参加による自動車走行データ(急ブレーキ、急加速、急ハンドル、速度超過:以下、ヒヤリハットデータ)の収集を実施しデータの可視化を行い、潜在的な危険箇所(ヒヤリハットへの対応で交通事故を予防できる可能性のある箇所)について地域住民の理解を進めた。
  データ収集の段階から地域住民が参加することで、その収集したデータに対する興味・関心を高めるとともに、分析結果を地図に可視化することで、地域住民の理解を進め,「まち歩き」や「対策検討会」について、地域が主体となり取り組むことができた。本事業については、地域と協働で交通安全対策を進める「地域協働型のEBPM事業」という特徴がある。また、地域の住民が参加することで実現している点が高く評価された。

『京都データ取引市場』
京都府(一般社団法人京都スマートシティ推進協議会)

  京都データマーケットプレイスは、デジタルデータの利活用をより活発にすることを目指したデータカタログサイトで、このマーケットを通して、社会の課題解決に資するアイデア・新たなサービスの創出に取り組む事業や研究活動等におけるデータ探索を支援するものとして、京都府のオープンデータにとどまらず民間のデータも合わせて検索できるポータル機能を提供しており、外部のカタログサイトとの連携により、利用者に効率的なデータ探索の場を提供しようとするものである。
  また、当該サービスはカタログ表示と検索の機能に特化していおり、カタログの登録、データの売買機能や精算機能は外部のデータ取引所サービス等と連携することにより、開発コストやサービスの運用保守にかかるコストを最小化している。運営者はユーザーの利便性を担保しつつデータ流通活性化に向けたユーザー支援にリソースを集中させることができ、今後のデータ活用の拡大に寄与することが期待できる。また、DSAの発行したカタログ作成ガイドラインを参照されている点も評価された。


データ社会 技術大賞

『地域課題を自動運転車両で解決する、車両と住民をつなぐロケーションシステム』
株式会社ウフル

  これまで大通りにあるバス停までの道のりを歩くことが億劫だった高齢者の方も、車両が家の前まで来てくれることで気軽に外出ができるようになるなど、地域住民の生活にも変化が出てきている。 さらに自動運転を補助する乗務員や利用者が車両に乗りながら町を見守る効果もあり、また車両内で偶然居合わせた町の人たちの井戸端会議の場になるなど、地域のコミュニティ形成にもつながっていることが評価された。加えて、自治体が 「町の人が喜んでくれている。それが(役場として)一番嬉しい」「最終的には自動運転対象エリアを広域まで拡大して、より多くの人に喜んでもらうことが町としての一番大きな目標なんです」と語るなど、大きな期待を寄せている点が評価された。


データ社会推進 功労者賞(団体・個人)

福岡市

  データ連携基盤を活用した市公式ポータルサイト『ふくおかサポート』では、マイナンバーカードを用いて本人認証し、市民に対して行政サービスの制度利用案内をプッシュ型で情報提供するサービスを全国に先駆けて取り組まれている。また、図書館のデジタル貸出カードの実現など具体的な市民サービスの向上や、データ連携基盤の構築により将来的に民間サービスの提供を計画されている点など、行政がデータ利活用を促進する上で重要な取り組みであり選定した。

早矢仕晃章(東京大学)

  データ流通推進協議会、データ社会推進協議会において、長年利活用推進委員会副委員長として、知識創生WGの活動を中心的に行い、データ社会の推進への示唆を広く示しており、その業績を評価し、功労の意を表すものである。


データ社会 研究奨励賞 

Green x Digitalコンソーシアム 『見える化WG実証実験フェーズ2』

  サプライチェーンでのCO2排出量のデータを算出するために、異なる企業間でのCO2データ連携の実証実験を行った。このような取り組みは、DSAが目指している分野を超えたデータ連携と同じ方向性であり、受賞に値する成果であるといえる。


データ社会 芸術賞

3Dサウンド デザイナー/プロデューサー
瀬戸勝之(studio SpaceLab 代表)

  世界唯一の3Dサウンドクリエイターとして国内外で活躍。音源データ及びフィールド採取の超音波データにより、目的に合わせて空間をデザイン。野外イベントでも室内イベントでも対応。仮想でもコンサートホールにいるような臨場感の創出、また、リスナーの好みに応じて、演者の感覚を体験できる。大規模商業施設では目的にあったサウンドを提供することで問題解決を図るという取り組みで、音場のデータ化、再利用に創造的な作品の展開にデータが活用される点が評価された。今後、メタバースやCPSにおいて、音場の再現などにより、より人にやさしい世界をデータにより再現するなどが期待される。


イグ・データ活用賞 

該当なし

受賞者の選定方法について

一般から応募(自薦/他薦含む)を受付け、当団体の理事会および顧問会議による厳正なる審査を行い、表彰させていただくものです。

一次選考
DSA運営委員会にて推薦内容を審議し、最終選考に付す対象を決定しました。
最終選考
運営委員会の審議結果を受け、顧問会議に諮問し最終選考を行いました。