センシングデータのデータ品質評価基準策定

DSAでは2022年1月に公開したホワイトペーパー『センシングデータのデータ品質基準策定に向けた提案』にて、センシングデータの品質評価基準と評価パラメータを提案しました。今回、提案した品質評価基準と評価パラメータに従って実システムでのセンシングデータの品質評価を行い、指摘された課題や改善要望等の内容を反映し、ホワイトペーパー『センシングデータの品質レベル評価のためのガイドライン策定に向けた検討』にまとめました。

本書で定義したセンシングデータの品質評価に関するデバイス依存の品質測定量(詳細は本文参照)

区分 デバイス依存の品質測定量 説明
設計情報 デバイスの情報 デバイスに入力された物理量(光、音など)の計測原理、処理方式等の把握レベル
故障のしにくさ デバイスの稼働レベル
耐久性 寿命部品の低下レベル
セキュリティの対策 セキュリティ対策の実施レベル
通信の安定性 通信が途絶、遅延なく動作するレベル
設置・調整 設置方法の適切さ 条件にあった適切な設置の実施レベル
運用・保守 システムの安定稼働 安定稼働の計画レベル
システムの環境監視 設置状況の把握レベル
アップデートの適切さ 適切なソフトウェアバージョンの運用レベル

 

更新日 2024年6月20日(実証をふまえた修正及び検討内容を追加)
公開日 2022年1月18日
作成者 一般社団法人データ流通推進協議会 4011005007414
著作権者 一般社団法人データ社会推進協議会 4011005007414

 

センシングデータの品質レベル評価のためのガイドライン策定に向けた検討(2024年6月公開)

2024年6月20日版では、2022年1月15日公開のホワイトペーパー『センシングデータのデータ品質基準策定に向けた提案』に記載の評価基準と評価パラメータに対し、主に下記の改定を行っています。

  1.  セキュリティ基準の見直し
  2. 有線システムの評価項目の追加

また、7つの実システムで実施したセンシングデータのデータ品質評価結果を示すとともに、その際の具体的な詳細検討内容についてもAPPENDIXとして掲載しています。尚、センシングデータの品質評価を実施する際には、本書に添付するExcelシート『センシングデータ品質ワークシート』を参照することで、効率よくセンシングデータの品質評価が可能です。

センシングデータのデータ品質評価基準に向けた提案(2022年1月公開)

センシングデータ品質評価に関する取組み

  • 背景
    Society 5.0を支えるサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System:CPS)では、ネットワークに接続したセンサーデバイス(測定端末)を介して、膨大なセンシングデータを収集し、収集したデータをAI(人工知能)で解析・制御することで、産業活動や日常生活をさらに自動化・最適化することが期待されています。
    このとき、想定外な低品質のデータが利活用されると、誤認・誤操作などにより、予期せぬ事故やトラブルにつながるおそれがあります。
    システムの安全を合理的な労力で保つには、データ提供者と利用者間でセンシングデータの品質評価についての共通理解を得られる技術標準が必要です。
  • 目的
    本書を公開してセンシングデータの品質評価に関心のある関係者から意見を得ることにより、実用性の高いデータ品質評価基準策定を目指すことを目的としています。
  • データ品質に関しては、海外でUNSD、W3C、IEEE等の国際団体が検討を進めています。また国内でも関連省庁・団体等がデータ品質に関するガイドラインや手引書、用語集、指針等を公表しています。本書はそれらの先行文献を参考に、セシングデータの品質を評価するための品質測定量を定義するとともに、その品質測定量を利用した品質評価方法を提案しています。

ご利用にあたって